future of hamada

代表
メッセージ

焼酎王国の夢、
濵田酒造の未来。

かつて、熊本県と鹿児島県の県境には、
「これより焼酎王国、鹿児島に入る」という立看板があった。
500年の歴史を誇り、本格焼酎発祥の地として知られる鹿児島で、
今年創業150周年を迎えた濵田酒造。
その5代目社長にして、全国最大規模といわれる113の構成社数を誇る
鹿児島県酒造組合で会長も務める濵田雄一郎が、革新を続ける本格焼酎の魅力、
そして新たな時代へ歩み始めた濵田酒造のこれからについて語った。

本格焼酎には、
世界の蒸留酒に
負けない実体がある。

本格焼酎は、ストレート、オン・ザ・ロックス、水割り、お湯割り。飲み方によって、様々な味わいが楽しめます。さらに、黒麹、白麹、黄麹といった原料の違いで変化も楽しめる、非常に繊細な特性を持った蒸留酒だと思っています。もう500年もそういった文化が根付いて飲み継がれているのが日本、あるいはその発祥の薩摩なのですが、実はこういった酒というのは世界にはほとんどない。世界の蒸留酒には、ウイスキーやブランデー、ウオッカなどがありますが、たくさんの技術やコストを使って、アルコール度数を高めたものをどうして薄めて飲まなくてはならないのか。そんな合理的な考え方が西洋にはあるんです。

日本の場合は合理性よりも、楽しみが勝るといいますか。例えば食事をより楽しく味わうために、水で割ったりお湯で割ったり、あえてアルコール度数を下げて飲むという独特の文化があります。するとアルコール度数を下げても風味が落ちない技術が発達し、あの唯一無二の繊細さや個性が生まれるのです。それが本格焼酎の評価される所以であり、世界の蒸留酒と比較しても勝るとも劣らない実体であると思います。

いま濵田酒造では、そのポテンシャルの高さをいかして、特に海外の人たちに向けて本格焼酎をベースにしたスピリッツをつくっていこうと、新たな商品戦略を模索し始めています。

世界に、本格焼酎という
新たなジャンルを
確立したい。

世界の蒸留酒を飲む文化は、基本的にストレートかオン・ザ・ロックスですが、いきなり芋焼酎を飲んでもらっても、日本で芋焼酎の普及期がそうであったように、おそらく拒絶反応があると思います。徐々に慣らしてもらえるような段階が必要ではないかと考え、例えば今年ジャパニーズスピリッツと銘打って「薩州魂」という本格焼酎をベースにした新ジャンルのスピリッツをつくりました。郷に入れば郷に従えではないのですが、世界のアルコール文化に合わせて本格焼酎を出したらどうなるのかと。それをきっかけに、原料である麹が醸し出す独特の味わいであったり、繊細さを感じてもらえるところに導いていくことができれば、世界の蒸留酒マーケットで本格焼酎という新たなジャンルが確立できるのではないかと睨んでいます。つまり、今後の国際化を睨んだ上でのひとつのトライアルでもありますね。

世界のアルコール飲料に携わる人たちの教育機関「WSET」(ダブルセット:Wine & Spirit Education Trust)という組織がロンドンにあるのですが、今年日本の本格焼酎を教育プログラムに取り入れることを決めてくれました。これも世界に出ていくための大きな一歩になるのではないかと非常に期待しています。

本格焼酎の可能性こそ、
焼酎王国の夢、
濵田酒造の未来。

日本国内では、弊社が掲げる「本格焼酎を真の國酒へ」という目標は順調に進んでいると思います。ですが今後のことを考えると、先ほどお話ししましたようにやはり世界に出ていきたい。エコノミックアニマルと言われた時代から、クールジャパンに。工業国家から文化国家に生まれ変わろうとしています。その文化の一翼を担っている日本の蒸留酒「本格焼酎」を世界に広めたいんです。だからインバウンドで訪日される人たちが年々増加しているこのチャンスをぜひ生かしたいと思っています。例えば、観光客の方々が和食を楽しむ機会に、本格焼酎の繊細な味わい、その背景にある歴史などに触れていただく。そして、それを自分の国に持ち帰ってもらうような一連の流れを作り上げることができれば、焼酎王国鹿児島、つまり地方から世界市場を狙うことだって可能なんです。

それは、焼酎王国鹿児島の描く夢であり、濵田酒造の未来です。本格焼酎の可能性は、もはや無限といっても過言ではありません。ぜひ期待してください。